八掛の色目:其の一

いつもご覧頂きまして誠にありがとうございます。

そろそろ京の桜も見納めです。
暖かくなったり寒くなったりが続いていましたが、ようやく落ち着いてまいりました。

さて第十五回!
今回は、久しぶりに八掛の話題、「色目」をお届けいたします。

八掛の色を選ばれるときの決め手って何でしょう?

多くの方が表地の色に合わせて…
と云うお答えだと思います。

その場合、共色を選んでしまう事がほとんどだと思います。
とりわけ洋服の感覚で選ぶとどうしても似寄りのお色が無難に思えてしまいますよね。

でも、、、
純和風な考え方だと、意外と大胆なお色合わせも結構してるんです!

それが、、、
平安時代の「襲(かさね)の色目」です。

襲の色目とは、平安時代の着物、例えば十二単のような、何枚もの衣装を重ねて着る文化の中で生まれた美意識。
重ねた装束の襟元や袖口、裾に表現される色の調和などに、四季折々の花の彩りや木の葉の色合いを取り入れたわけです。
ちょっと具体例を出してみましょう。


↑こちらは「柳」です。共濃で落ち着きがあります。


↑こちらは「菫」。共薄にされています。

さて、ここからが本題。
大胆な色使いのものを見ていきます。


↑「柳」です。涼やかな色合いですね。


↑「藤」です。落ち着いた2色で季節感がよく表されています。


↑「躑躅」です。大胆な配色で見るものに存在感を与え、初夏を予感させる色合いになっています。

いかがでしょう?

こういった日本の伝統の色合いを見に纏うというのも、お着物ならではのひとつの楽しみ方だと思います。
ちょっと勇気がいるかもしれませんが、、、
是非一度お試しあれ。

それでは次回もお楽しみに♪