お客様よりの疑問 其の一:紬生地って…

いつもご覧頂きまして誠にありがとうございます。

今日は3連休の最終日でしたね。
ちょっと更新遅くなりましたが、第五回!

今回は、
「お客様よりの疑問 其の一:紬生地って…」
をお届けいたします。


お客様より頂いておりますご質問。
貴重なご意見と、大変ありがたく拝見させていただき、
可能な限り、誠実な対応をさせていただきたいと思っております。

そういったご質問の中でも、特に、、、
「皆様が同じように思われているだろうな」
と感じることのできる疑問がありましたので、
「お客様よりの疑問」シリーズをしようと思い立ちました。


今回は、
「紬八掛の生地ってこんなに薄くて大丈夫なんですか?」
「紬八掛ってこんなに安いのはなぜ?」
という疑問にお答えいたします!

確かに紬八掛の生地といえば、、
太い糸番手の駒糸を経緯糸として使用された、
風合いの硬い厚手の丈夫そうな両駒の生地が多く見られます。

ところがこの両駒の生地。
国産の生地であっても、
簡単に裾が擦り切れてしまうという苦情が出ているんです。

それは、、、
「糸が太い」=「接触する面積が多い」=「摩擦に弱い」
という弱点を抱えているためです。

そこで、、、
当店の紬八掛では、
経糸は細い糸、緯糸は駒糸というように、
経緯の糸質を変えて、柔らかくコシある生地にしております。

その結果、、、
紬の表地との動きに合うようになり、
また、糸組織も従来の生地よりも緻密になったことで、
裾切れの改善を、多くのきものファンの皆様から頂戴しております。

その薄さこそが、丈夫さの証明なんです!


また、当店の紬八掛が価格が安すぎて不安とのことについては、
中国生産でコストを削減したのが大きな理由のひとつです。

以前は当店も国内生産に拘っていたのですが、
養蚕家の激減とともに、経糸に使用している優良な細い糸が
国内では手に入りにくい状況になってしまい、、、
現在でも養蚕体勢の整っている中国の優良な糸を使用することに致しました。

同時に、中国の糸を使用するのであれば、
出来る限りお届けする価格も抑えたいと思い、
原料から製織まで全てを中国で行うことも決意したというわけです。

さらに、平だたみの八掛を丸巻きにし、不要なラベルも外して、
コストダウンに成功したという内幕もございます。

勿論、品質には自信がございます!
中国産の生地の表示は、現在産地表示の義務といったものとは別に、
その自信の表れとお考えいただければ幸いです。


今回はちょっと長くなってしまいましたが、、、
最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございます。

さて次回は、、、
「基礎知識 其の二:八掛のぼかし染め編」の工程⑤で、
さらっと「蒸して」と記載した、「蒸し」の写真を見つけましたので、
ご紹介したいと思います。
お楽しみに♪